「訪問看護に興味はあるけれど、病院とどう違うの?」そんな疑問を抱えている看護師さんは多いのではないでしょうか。訪問看護は、自宅や施設で生活する利用者さんの元へ直接訪問し、医療的ケアを提供する働き方。自由度が高くやりがいもありますが、病院とは異なるスキルや覚悟も求められます。
本記事では、訪問看護と病院勤務の違い、向いている人の特徴、実際に転職した人の声、注意すべきポイントまで、丁寧に解説します。訪問看護に一歩踏み出したい方の後押しになれば幸いです。
- 訪問看護とは?仕事内容と役割
- 病院勤務との5つの違い
- 訪問看護に向いている人・向いていない人
- 訪問看護で働く魅力とやりがい
- 訪問看護のデメリットと注意点
- オンコール対応って実際どうなの?
- 実際に訪問看護へ転職した看護師の声
- 訪問看護の求人選びで見るべきポイント
- 訪問看護ステーションの種類と特徴
- 転職を成功させる3つのステップ
- よくある質問
訪問看護とは?仕事内容と役割
訪問看護は、利用者の自宅や施設を訪問して看護を提供するサービスです。病気や障がいを持つ方、療養中の高齢者などが、住み慣れた場所で安心して生活できるように、医療的ケア・健康管理・リハビリ支援・終末期ケアなどを行います。
医師の指示のもとに訪問し、状態観察、服薬管理、医療処置、家族への助言などを行うのが主な役割です。訪問は1日あたり4〜5件が平均で、1件30〜90分程度。看護師の裁量が大きく、やりがいを感じやすい分野です。
病院勤務との5つの違い
項目 | 病院勤務 | 訪問看護 |
---|---|---|
勤務時間 | シフト制(夜勤あり) | 日勤メイン+オンコール |
勤務場所 | 病棟・外来 | 自宅・施設 |
患者層 | 多様・短期的な関わり | 高齢者中心・長期的関わり |
看護の裁量 | チームで分担 | 1人で対応する場面が多い |
記録の方法 | 電子カルテ | 訪問先でタブレット入力 |
訪問看護に向いている人・向いていない人
- 向いている人:自律的に行動できる/利用者とじっくり関わりたい/在宅医療に興味がある
- 向いていない人:急性期の医療行為を続けたい/一人の判断に不安がある/オンコールが絶対NG
訪問看護は一人で判断する場面が多く、「臨機応変さ」や「観察力」が求められます。
訪問看護で働く魅力とやりがい
利用者と長期的に関われるため、「寄り添う看護」を実現しやすいのが魅力です。生活の一部をサポートすることで信頼関係も深まり、看護師としての充実感を得られます。
また、在宅死やターミナルケアなど、病院では学びにくいスキルも身につけられます。

訪問看護のデメリットと注意点
- 一人訪問のため判断ミスのリスク
- 記録や事務作業が意外と多い
- オンコール対応が精神的に負担になる場合も
事業所によっては教育体制が整っていないこともあるため、見学や面接で体制を確認することが重要です。
オンコール対応って実際どうなの?
オンコールとは、夜間・休日に緊急連絡を受け対応する勤務形態です。
必ずしも出動があるわけではなく、出動率は1ヶ月で0〜3回程度のステーションも多数あります。
報酬のある待機であることがほとんどですが、心の負担になる人も。「オンコールなし」や「回数相談可」の求人もあるので、条件に合った職場を選びましょう。
実際に訪問看護へ転職した看護師の声
40代女性/総合病院→訪問看護
「最初は不安でしたが、事前にしっかり同行研修があったので安心して独り立ちできました。今は利用者さんに『来てくれてよかった』と言われるたびに転職して良かったと感じます。」

訪問看護の求人選びで見るべきポイント
- 教育・研修制度があるか
- オンコールの頻度や報酬
- 訪問件数と1件あたりの時間
- チーム構成とサポート体制
- ICT環境(記録方法)
事前に質問や見学を通して、自分に合った働き方ができるか確認しましょう。
訪問看護ステーションの種類と特徴
種類 | 特徴 |
---|---|
医療法人運営 | 病院併設が多く医師との連携◎ |
民間(株式会社) | インセンティブ制・柔軟な働き方 |
NPO/社会福祉法人 | 地域密着型・穏やかな雰囲気 |
転職を成功させる3つのステップ
成功した看護師が実践していた3ステップをご紹介します:
- ① 自己分析…なぜ転職したいのか、何を重視するのか
- ② 情報収集…エージェントや口コミサイトを活用
- ③ 見学・面接…雰囲気や業務の確認を忘れずに

よくある質問
Q. オンコール対応が不安です。避けることはできますか?
A. 求人によっては「オンコールなし」「回数相談可」と明記されています。条件交渉やエージェント利用も有効です。
Q. 車の運転が苦手でも大丈夫ですか?
A. ステーションによっては運転なしで自転車や同行訪問が主のところもあります。面接時に確認しましょう。
まとめ|訪問看護は自分らしい働き方を叶える選択肢
訪問看護は、病院とは違ったやりがいや働き方を実現できる魅力ある職場です。自分のペースで働きたい方、利用者と深く関わる看護がしたい方には特におすすめです。
「転職してよかった」と感じる未来のために、しっかり情報収集を行い、自分に合った職場を選びましょう。
【関連記事】あなたに合った働き方とは?/看護師の働き方ガイドを見る
参考:
・厚生労働省「訪問看護ステーションの運営状況等に関する調査(2022年度)」
・日本訪問看護財団「訪問看護の現状と課題」
・看護職の働き方に関する実態調査(日本看護協会 2023)